農業が気になる

先日農業体験に行ってきた。いつかやってみたいと思っていたことの1つ。

"都市農業"と言われる、東京近郊の農家さんにお邪魔して作業を手伝わせてもらった。結論から言うと、いい筋トレだった。とりあえずどのようなものか体験してみたい、土に触れたい、野菜が育っているところを見たい、といった薄っぺらな期待で向かったのだが、帰る頃にはスポーツをした後のような疲労感と達成感があった。

やったことは人参の草むしり。めちゃくちゃ地味な作業だが、土の栄養が人参にいきわたるためには重要な作業だという。覆っているビニールシートを剥がして、人参の周りに生えている草むしりをひと通りして、元通りにビニールシートを戻すために土を掘って、ビニールシートを被せながらその上に土を被せて固定していく。最後に紐をかけて作業完了。ここまでで3人で作業して約3時間。

草むしりをするところまでは余裕だったのだが、土を掘るのが力仕事できつかった。

帰り道に彼と話していたのは、めちゃくちゃ非効率な仕事であるということ。自宅でやっているのだから機材を導入するのにもコストがかかるし仕方がないのだが、農業は作物を作るのに時間がかかるので、PDCAのサイクルが遅く、トライ&エラーも繰り返しづらい(cf. PDCAが早いビジネスモデルは惣菜屋など、在庫を1日でさばいてまた生産できるもの)。そして農家という既存産業が手厚く保護されている。さらに人手不足で人的リソースも足りないので、そもそも今までのやり方を見直す機会もなくなる。

このような事情が合わさり、改善されることなく、非効率な作業を継続的に行うことになってしまう。その一方で、手作業が楽しい、というような「非効率を楽しむ」ということも農家の醍醐味といえるのかもしれない。

体験を通して改めて農業ビジネスについて考える時間が楽しかった(でもめっちゃきついこともわかったし、本当にハードな仕事だと思う。農家の人たち尊敬する)。